こんな戦況に満足している暇はない。
またすぐに、次の敵が来る。






戦場の猛者







「祝……五十体目じゃ!!」


灰狼が爪と牙を奮い、次々と襲い掛からんとする狂犬を切り払っていく。
左右から飛びかかる狂犬の首を両手の爪で一瞬にして刎ねる。
背後から不意討ちをかけてきた狂犬を後ろ蹴りで言葉通り一蹴し、
怯んだ隙にバック転で間合いを詰め、両前足を切り払い頚動脈を噛み切る。


「一匹狼たぁワレェの為にある言葉じゃけぇ!」


血飛沫の飛び交う戦場を駆ける一匹の狼。
その戦場を少し行った所に、また一つ修羅場が存在した。


「弱いアルネッ!!」


身体を変な方向に曲げた火達磨狂犬が、何匹も宙を飛び交う。
地面に落ちた燃える狂犬はそのまま灼熱に焼き消されていた。
それでも狂犬は無数に連なり、炎の主へと襲い掛かるが、


「紅蓮突拳・連牙!!」


次々と打ち出される炎の拳により遺灰へと変貌していく。

二人の戦士は負けを知らずに狂犬を打ち倒していく。
彼らは、戦闘のプロフェッショナル。


[Ms.052 山岳の狂犬を根絶やしにせよ]

[Player:Tenrai Lihon]

■Now loading...












「グラビティフィールドッ!!」

「う……ごけね……」


とある使われなくなった工場の屋根の下では、2対10の戦いが行われていた。
対峙するは、バケモノ面のカービィ。

バケモノは自らの周囲5メートルの重力を、普通の2.5倍へと変える。
明らかに悪人の顔をしたカービィ10人は、いつもと違う重圧に身体を動かせずにいた。


「まんまと引っかかったな!バカ野郎共が!」

「この糞餓鬼……ぶっ殺してやる……」

「お前がそんな事言える立場か?」

バケモノは重力圏の中でも悠々と動き回っている。
重力の重い場所での動きに慣れているのだろう。


「そんじゃラーディアスさん、仕上げよろしくっ!」

「オッケー」

バケモノが工場の高台の方に大声で叫ぶと、やけに間延びした少年の声が帰ってきた。
少年は天井に鎖で繋がれた大きな鉄骨を、高台へ伸びた鎖で引っ張り重力圏の中へガラガラと引き寄せる。
途端に鉄骨が重力を受け地面へと引き寄せられるが難なく押さえ、止め具に鎖を引っ掛けた。
鎖がピンと張り、鉄骨が悪人の頭上でゆらゆらと揺れている。

「……フリージング……」

「まさか……」


少年は壁に立てかけていた西洋風の闘剣を手に取り、構える。
すると少年の身体から、冷ややかなオーラが流れ出てきた。
バケモノはさっさと重力圏から抜け出し、安全な場所から悪人を笑いながら見ていた。

剣の狙う先は、硬く張った鎖。
これが切れれば鉄骨は解放され、地面へまっさかさま。


「ソーッドォ!!」

ばきっ

がらがらがら


「来るなーぁ!!」

大きな大きな音と、半端ではない量の埃を巻き上げ、鉄骨(重さ2.5倍)が悪人に落下した。
バケモノは大きく拍手している。




「派手に決めたなー!!」

「悪人には当たらないように調整しておいたよ!」


地形と自分の力を上手く組み合わせる事が、勝利への一手である。


[Ms.053 過激派アジトに潜入せよ]

[Player:Lshifa Rurdius]

■Now loading...














「……挟み撃ちか」

「問題ない、全て切り捨てる」


左からは人型、右からは……良く分からない型。
鉄の装甲に身を包んだドロイドの軍政が、剣士と策士の左右から詰め寄る。
行進するたびにがしゃん、がしゃんと床に鳴り響く。


「キケン、お前はあっちの良く分からない奴等を。俺はこっちのドロイドだ」


剣士は懐から白い柄を取り出す、すると柄の先端から微量の光子が散り、やがて翠色の閃光刃が音を立てて現われた。
それを前に構え、機械の軍政を睨みつける。機械は一度立ち止まり、腕から同じ閃光刃を繰り出す。


「木偶の坊が俺に勝てると思うなっ!!」

軍政に突っ込む剣士。
ドロイドはガシャガシャと起動音を立てながら必死に剣士を追うが、スピードに翻弄されるばかり。

「そこ!」

そして次の瞬間には首が飛ぶ始末。
しかし、一体ずつやっているとなると時間が掛かることは一目瞭然。


「……!」


戦士は軍政の真ん中に潜り込み、頭上高々に剣を掲げる。
すると閃光刃が5倍ほどに伸び、それを孤を描くようにして振り下ろす。




「だらぁあっ!!」

自らを軸に身体を回転させ、長く伸びた閃光刃が周りに存在する全てのドロイドの胴を通過していく。
剣士が閃光刃を柄に収めたときには、ドロイドの上半身は消えていた。
周りには、鉄くずのみが残っている。




一方その頃、策士は多くのドロイドを前に策を練っているようである。
しゃがみこみ、目の前に小さなカプセルを並べている。

「敵は約50体……一斉にやるか」


策士は六つの細長いミサイルが頭を覗かせる縦長の砲台を合計二台その場にカプセルから呼び出した。
ドロイドは一瞬動きを止める。


「……発射」

真空状態から解放されたミサイルの叫び声が、連なって響いた。
しかしドロイドも甘くは無かった。すぐに胸元を開き、同じ形状のミサイルを打ち出す。
空中で、ミサイル同士が激突した。
狭い通路に煙が蔓延し、ドロイド達の視界を遮った。

「……!」

ドロイドの額に、赤い光のポイントが浮かんでいる。
それは厚い煙の中を抜けてきた光だった。
煙が晴れる。


「ブラックインパルス『黒鯨』……」


策士が懐に構えていたものは、ゴツゴツとした巨大な機械砲台だった。
先端には大口を開けた黒いクジラの顔。見るからに強力そうな、ゴツイ表情だった。

口内から、黒い鉄の塊がキュルキュル回転しながら先端を覗かせた。
頭と砲身の結合部分の外殻がガチャリと分離し、その合間からふしゅーっと黒煙を噴かせた。



「安全装置解除……発射!!」



ドゴンと爆音を轟かせ、鉄塊が飛び出した。
その強力な反動により策士の身体が数センチ宙に浮き、後ろへ吹き飛んだ。

鉄塊は回転しながら宙を切り裂き先頭のドロイドへ激突。
その瞬間ドロイドは粉々に粉砕され貫通。後ろ、また後ろのドロイドも立て続けに粉砕された。
そして丁度真ん中のドロイドの胸に鈍い音を立ててめりこんだ。


「……死ね」


鉄塊はドロイドの胸中で、自らを大爆発させた。
当然鉄塊の巣になっていたドロイドは鉄片を辺り一面に飛ばして微塵となってしまった。
そればかりか、強力な爆発が周りのドロイドを巻き込み、鉄の破片がドロイドの中枢神経を襲った。

策士は強力な爆風をヘルメットでなんとか凌ぎ、やがて爆風が収まるのを待つ。
大きな爆煙からは、沢山の鉄くずとボロボロになった廊下が姿を現した。





「あらかた、ドロイドは殲滅したな」

「キケン、こっちも終わったぞ」


策士はカプセルの中に巨砲を収納し、剣士に向き直る。
二人の緊張は、まだ抜けてはいない。


「それでは、黒幕を消しに行くか」

「多分この奥だ。急ごうぜ」



[Ms.054 禁制機械工場を取り締まれ]

[Player:Kiken Aurange]

■Now loading...













「ふぅ、疲れた……」


署内の自動ドアが機械音を立てて横にスライドし、爆速男が肩にモップを担いで入ってきた。
乾燥機でモップの水を乾かし、右側の壁の掃除用具箱にモップを投げ込む。
乱暴に用具箱を閉めると、爆速男はロビーの中心にある高級そうなソファにどさっと身を投げた。


「なーんでオレだけ掃除かねぇ、畜生が」


ふてくされたように呟き、タバコに火をつける。
爆速男に、安堵の時が訪れる。




自動ドアのすぐ上に取り付けられている細い小型電光掲示板が音を立てて、文字を映し出す。

【Ms.052/053/054 Succes!】





「……おぉ、アイツら無事だったみたいだな」

爆速男は少し安心したように掲示板の文字を見つめた。
そしてよっこらせと身体を起こし、自動ドアへと向かった。

「お出迎えしてやっかねぇ」

爆速男はロビーに背を向け、うーんと背伸びしながら自動ドアを潜って廊下を歩みだした。



[Ms.055 署内を綺麗にせよ]

[Player:Axell]

■Now loading...










SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送